深い沼へとおちていく

好きなものは好き。ただそれだけ。

ミーハーなオタクがそれいゆを見てきた感想

本日東京初日を迎えたそれいゆを観劇させていただきました。 中原淳一の生涯を描いた作品であるということを知った時からずっと興味があり、ご縁もあり… お洋服の勉強、デザインの勉強をしてる身としても見ておきたい作品でした。

ここから先、多少のネタバレを含みますのでお気をつけください。

率直な感想としては、中原淳一ってすごいな、ただそれだけです。 戦時中、戦後の混乱している時代の中、美しく生きるという信念を抱きながら生きていくことはこんな言葉で片付けるべきではないんだろうけど大変だったろうなと。 夢を見るな、外国語は禁止、贅沢するな、という雁字搦めにされた時代に自分を貫き通すということがどれほどのことかなんて想像がつかない。でもそれをやってのけた中原淳一。何よりも美しいなと。

そしてそんな方の人生を銀河一美しい中山優馬が演じたっていうその事実だけでもう胸がいっぱいです。時代の流れに信念を貫き通しつつも、これでいいのかと、揺れている姿が中山優馬自身にも勝手に重なっていく気がして… ドリアングレイも観劇させていただいたのですが、あの時よりも役を自分のものにしてた気がするなと。

美しい生き方とは何か、わたしたちはそれを探しながら生きているのかもしれないし、そんなもの存在しないのかもしれない。少なくとも、わたしは今美しい生き方とはかけ離れた妥協だらけで適当にその場しのぎだなと、だからこそ余計に刺さってきたものがあるし、きちんと向き合い、考えていかないといけないなと思わせてもらいました。 究極の造形美はそれぞれの生き方や価値観で違うから決まった形がない、と最後に訴えかけてくる優馬さん。向日葵とオレンジの光に包まれる彼ほど美しいものがこの世にあるのかな、と自然と涙が溢れてました。

中原先生に桜木が感情をぶつけていくシーンは、桜木がどことなく自分と重なって、才能がある芸術家とは違う、というような心の叫びは聞いていて悲しくて虚しくて。美しく生きたい中原先生との対比がまたより一層哀しい。

本日観劇するに至ったもう一つの理由、辰巳雄大の話を今から始めたいと思います。 国民服で登場した辰巳くん。 裾がちょっと出ていたりだらしない着こなし。 桜井日奈子ちゃんとこそこそ話してる(?)辰巳くんかわいい!!! 編集社の人が来て急いでシャツをガサゴソする辰巳くん。 かわいい

場面が変わりタンクトップで出てきた辰巳くん。袖ぐり結構くってるね!!!腕!!!

かわいいね!!!

肩先点と肩峰点*1見つけてあげたい…肩先が前に出てる現代人ぽい体型かわいい…喉仏かっこいい…鎖骨綺麗…変態かよ

誰かがお話をしている時に顔でお話をする辰巳くん。かわいい(何回目…)

ニコッとしてみたり、突っ込んでみたり、気まぐれな優馬さんに振り回されたり、かわいい

わたしも辰巳くん振り回した((((

少し暴れたのでおちつきます。

美しく生きるとはなんだろう。

観劇前からずっと考えていました。 結局わたしの中で答えは出なかったんですけど、中原淳一という人間は、一人一人美しさの定義が違うこの世界で、世界中の人が美しいと思うものを創り出したい、と願い続け、生きていました。 そうして戦中、戦後の女性たちを支え、力を与えていた偉大な人でした。 そんな中原淳一の生き様、存在の全てが美しいんだなと、まいこさんが言っていたことですが、この舞台を通して思いました。 周りに流されず、芯を持って、愛情に溢れていた中原淳一は孤独に生きていたけれど、とても美しかった。

美しさの対比として人間の欲望だったり黒い部分もきちんと描かれていたのが印象的でした。 受け取ったものが多すぎて、まだ噛み砕けてないところもあるのが正直なところです。これからどう生きていくべきか、そんなところから考えさせられてます。 わたしがものづくりをする世界で生きたいと思っているから余計に刺さるものが多かったのかなと思いますが、このタイミングでこの舞台に出会えて、自分にとってプラスになるものを多く吸収できたと思います。

東京初日ということで最後に一人ずつ挨拶をしていた時、優馬座長が一人一人の方に身体ごと向いて挨拶を聞いていたのが素敵だなと思いました。 大事なところで噛んじゃう辰巳くんとか笑 和気藹々としたカンパニーでした。 改めて東京初日お疲れ様でした。 千秋楽まで怪我なく突っ走っていってください。

*1:肩の先と肩甲骨の先、人体計測をする時に使う点のこと